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仲間との出会い(久々RP日記)

0225_1.jpg


久々アレなRP日記です。
副官の服を替えたいなあ…





潮の香りがする。

水の都…いや、海の都ヴェネツィア。

港に停泊するヴェネツィアンガレアス。立体的に完成された美しい街角。壁を飾る花。見たことも無いガラス細工。贅を尽くしたビロードの衣服。オリエンタルな趣の香水の甘い香り。その全てが如何にも栄華を極めたこの地中海の女王に相応しい。アドリア海の宝石。長く地中海の覇者であった、「世界の中心」。

だが、今はその栄華に翳りが見えた。 夕陽が石畳に影を伸ばす。翼を持つ獅子の像の輪郭を滲ませている。

そう、ヴェネツィアに緩やかに夜が訪れようとしている。

世界の焦点は、今や地中海を離れ大海にある。
新大陸の発見、インド洋の開拓。世界は広がり、移ろいゆく。 大航海時代。 その只中にあって、世界はその色彩を変え続けている。

そんな斜陽のヴェネツィアは、俺にとっては新鮮な場所であり、また同時に気後れする場所でもあった。 かつてはここに商館をかまえていたと言うのに、だが、この都を訪れた回数は多くはない。冒険者や商人たちにとっては、この都は要所かもしれないが、俺のような軍人にとっては、そう魅力的な場所ではないからだ。



大体、いかにも田舎者、という気がして落ち着かない。国では、家柄もよく、洒落者で、まあまあちやほやもされる俺も、ここにきたら無骨で無作法な船乗り。そんな気分だ。言葉もよくわからないし。

そんなわけで、潮の香り、夕暮れ時の鮮やかな光と影、複雑で丁寧な味付けのパスタなんぞを味わいながら、俺はまずいことで有名な故郷の素朴で無愛想なスープの味や、霧に霞む灰色のテムズ河、スモッグで曇った空、風景を曖昧にする、午後の陽だまりのくすんだ柔らかな空気なんぞを思い出していた。

だから、目の前にその大男が座った時、俺は多分、口でもあけた、間抜け面で彼を眺めたのだと思う。

「クアトロチェント」

差し出されたごつごつとした大きな手と、その笑顔に気をとられて、それが名前だと気づくのに、ずいぶんと時間がかかった。

中途半端な口半開きの顔で握手に応じた俺に、彼はますます笑って、

「あんた、前の海戦の時に、でかい軍艦で、ここに寄っただろう」

 ――イタリア訛のきつい英語は、「何?」と聞き返すような按配だったが、辛うじて言っていることはわかった。

そういえば、確かに先の大海戦、アテネへと向かう途中、雇った新兵を鍛えるために、俺は重ガレオンでヴェネツィアに寄港した。アドリア海の逆風は有名だ。いくら武装していないとはいえ、横帆の帆船で入港した俺は、さぞ悪目立ちしていたことだろう。

そこで、船大工である彼は、北海の帆船に魅せられた、というのだ。

確かに俺の船はイングランドでも一二を争う造船屋に作ってもらったものだ。優れた軍人でもある彼の手によって極限まで減量された船は、正直なところ、俺にはもったいないほどの素晴らしい出来だった。

「決してあんたに損はさせない。――俺をあんたの船に乗せてくれないか?」

そんな申し出に、俺は難しい顔をした。西はカリブ海、南はインド洋までまさしく大航海の日々。俺の活動の拠点は飽くまで北海であり、このアドリア海を訪れることなど滅多にない。聞けば彼はナポリの生まれだという。格好つけたいのはやまやまだが、俺は軍人としても、冒険者としても、商人としても、決して一流とは言えない。やはり冷静に客観視すれば3流だ。そんな俺の船に乗ることに、果たして故郷を捨てるだけの価値があるんだろうか?

「クア…チェンティ。残念だが――」

「クアトロチェント」

大体、すでに名前も呼べていないし。冷静に訂正しながらも、断ろうとした俺を制するように、彼の大きな手が、俺の両肩をがしりと掴んだ。痛い。

「どうしても、あの船に乗りたいんだ。船大工として、俺もいつかはあんな船が作りたい。北海に船出して、喜望峰をまわり、咆える40度線も荒れ狂う50度線も乗り越え、世界の海に帆を上げる。これこそ男のロマンじゃないか! いつかあんたに立派な船をつくってやるよ!」

俺はそんな困難な航海はしたくない。

というか、Roaring FortiesもFurious Fiftiethも超えたが北海の船によってではなく、サムブークやジーベックでだ。

「なあ、ちょっとまて、クオトルチャント…」

「クアトロチェント。よしきた! 乗せてくれるんだな!?」

話を聞いてもらえない。イタリア語で感嘆符が5つくらいついた言葉をくりかえす彼に力いっぱい抱きしめられて、背骨がぐき、とか言った。美女に熱い抱擁をプレゼントされる、とかいうなら熱烈に歓迎するが、髭面の大男にされるのでは、どちらかといえばそれは命の危機だ。

「おい! ちょっ、ちょっと――!!」

静止の声も早口の流れるようなイタリア語に阻まれて… 結局彼は、俺の船に乗ることになった。 クアトロチェント。ナポリ出身。28歳。船大工。 何はともあれ、旅の仲間が、また増えた。


| 展示室 | 04:17 | comments:1 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

先生…

赤い大佐とのエピソード、感動(爆笑)させてもらいました(T▽T )b

| 幻影魔族 | 2006/02/27 10:23 | URL | ≫ EDIT















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